リベラルアーツを本で学ぼう!おすすめ10選をご紹介

リベラルアーツ

時代や社会の変化とともにビジネスパーソンの間では、リベラルアーツの需要が拡大しています。しかし、リベラルアーツという言葉は聞いたことがあっても、その詳細はよくわからないという人も多いかもしれません。

リベラルアーツをお手軽に学ぶ方法のひとつとして、「本」が挙げられます。

本記事ではまず、リベラルアーツの言葉の意味について説明したうえで、リベラルアーツを楽しく学べる本を厳選して10冊紹介します。

リベラルアーツとはどういう意味か


リベラルアーツとは生きるための力を身に付ける手法であり、「こうあるべき」という固定概念から解放され自由に生きるための知識も兼ね備えた学問です。

リベラルアーツは、言語系3学(文法・論理・修辞)と数学系4学(算術・幾何・天文・音楽)の自由7科(セブンリベラルアーツ)で構成されています。日本の基礎学問といえば「国数英理社」のイメージが強いですが、世界的に見ればリベラルアーツこそが基礎学問という考え方もあります。

リベラルアーツを日本語に直訳すると「教養教育」ですが、欧米諸国の概念と比較するとこの訳し方が適切とはいえません。リベラルアーツとは本来、明確な答えのない課題を解決するために必要な知識やスキルを習得していくことを意味しています。

リベラルアーツの注目度は年々高まっており、リベラルアーツに関する研修を行う企業が増えてきています。

企業や組織を運営するリーダー、マネジメントする管理職などに必要になる考え方としてリベラルアーツは定着しつつあるのです。企業のほか、大学などの教育機関においてもリベラルアーツ教育を取り入れる動きが大きくなっています。

リベラルアーツを楽しく学べる本10選


リベラルアーツに関する本は膨大にあるため、いざ勉強しようと思ってもどれを読めばいいのか迷ってしまうのではないでしょうか。

そこで、本章では初心者でもリベアルアーツを楽しく学べる本10選をバラエティに富んだ内容で紹介します。

リベラルアーツの学び方

本書『リベラルアーツの学び方』は「こうあるべき」という考え方から解放する学問である「リベラルアーツ」についてわかりやすく書かれています。

リベラルアーツとは要するに何なのかを知りたい初心者が読む本としてぴったりの1冊です。リベラルアーツに関する具体的な書物や作品を総合的に詳しく解説しています。

内容については、「第1部 なぜ、リベラルアーツを学ぶ必要があるのか?」「第2部 リベラルアーツを身につけるための基本的な方法と戦略」「第3部 実践リベラルアーツ 何からどのように学ぶのか?」の全3部構成です。

単なる教養のための教養ではなく、思考や行動によい影響を与え、ビジネスや人生そのものを成長させてくれる内容に仕上がっています。

自然科学、社会・人文科学、芸術などの学問分野に関する解説が充実しており、いわゆる「生きた教養」に対する理解をぐっと深めていける本です。

リベラルアーツの学び方エッセンシャル版

本書『リベラルアーツの学び方エッセンシャル版』は、独学でリベラルアーツの考え方を習得するための方法が戦略的に書かれています。

オリジナル版『リベラルアーツの学び方』の本論部分である第1部と第2部、および各論に該当する第3部の概論部分・書物リストのみに限定し、四六判サイズで読みやすく再編集した1冊です。

現代の日本社会におけるリベラルアーツの不足について元エリート裁判官が完全解説しているため、この国にはこびる根源的な問題が理解できます。

また、なぜ現代の若者は新しいものを生み出しにくいのか、なぜ日本のビジネスパーソンは仕事でしか会話や付き合いをしないのか、なぜ国や企業は根本的な改革ができていないのかなどについても書かれています。

そのため、自分の頭で考え、主体的な意思に基づいて行動したい人におすすめです。現代社会で生きていくうえでの「最強の武器」にもなり得る1冊でしょう。

池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇

本書『池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇』は、わかりやすい説明で有名な池上彰が同僚である東京工業大学の教諭陣に聞いた「教養の実践例」をまとめた1冊です。

「哲学」を使って公共事業の住民問題を解決、「宗教学」を使って無宗教国ニッポンの問題を解明など、4つの実践例が紹介されています。

すぐには役に立たない教養こそが実は一生使えるクリエイティブな道具であるとまず始めに説き、人生、ビジネス、趣味、人間関係などにおける教養の重要性を池上節でテンポよく解説しています。

実学一辺倒の影響によりクリエイティブな発想が今の日本人はできなくなってきていますが、本書では新しいサービスや商品をより豊かに生み出すための教養について書かれているので、すべてのビジネスパーソンにおすすめできる1冊です。

となりの億万長者 〔新版〕 ― 成功を生む7つの法則

本書『となりの億万長者 〔新版〕 ― 成功を生む7つの法則』は、億万長者(ミリオネア)は決して特別な人間というわけではなく、常識とわずかな努力によって誰でもなれることを説いているとても興味深い1冊です。

内容については、「1となりの億万長者を紹介しよう」「2検約、検約、検約」「3時間、エネルギー、金」「4車であなたの価値が決まるわけではない」「5親の経済的援助」「6男女平等・家庭版」「7ビジネス・チャンスを見つけよう」「8職業:億万長者対遺産相続人」の全8部構成です。

どんな特徴を持っているのか知るために1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートを実施し、資産、年収、職業、消費行動のタイプを徹底的に調査しています。また、インタビューやアンケートを行った著者のトマス・J・スタンリーとウィリアム・D・ダンコは、アメリカの富裕層研究のスペシャリストです。

徹底的な調査を通して、本物の億万長者とそうでない人の差はどこにあるのかを「7つの法則」に基づいてロジカルに解説しています。

多くの読者から長年支持されている古典的ロングセラー本がコンパクトな新版として登場したため、ぜひこの機会に読んでみるといいでしょう。

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学

本書『改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』は、「お金の力を正しく理解し思い通りの人生を手にいれよう」をコンセプトとして世界中で読まれ続けているベストセラーです。

変化の多い現代社会のサバイバルツールとして読んでおきたい1冊です。オリエンタルラジオの中田敦彦が自身のYouTubeチャンネル「YouTube大学」で紹介し、大絶賛したことでも広く知られています。

お金に関する本は競争率が高いため、発売されてはすぐに消えていくものが多いです。そのような状況のなかでも「金持ち父さんシリーズ」は刊行から数十年経った現在も変わらない人気を誇っています。

もちろん、刊行当時から今に至るまでの間に、世の中の動きは大きく変化しています。アメリカでサブプライムローン問題が噴出し、世界中を巻き込むリーマン・ショックが発生しました。

改訂版となる本書では、最新の状況に即するよう加筆修正がなされているため、一度読んだことがある方でも再読の価値が大いにあるでしょう。刊行当時の2013年時点で51カ国後に翻訳され109の国で読まれているため、世界規模で支持を得ていることが窺えます。

本書は「金持ち父さんシリーズ」の1作目であり、時代が変わっても普遍的に通用するお金の基本図書といえるでしょう。

人生を面白くする 本物の教養

本書『人生を面白くする 本物の教養』は、60歳にして戦後初の独立系生保(ライフネット生命)を設立した出口治明が教養についての考え方や身に付け方を説く1冊です。

この本では教養を「人生における面白いことを増やすためのツール」、そして「グローバル化したビジネス社会を生き抜くための最強の武器」と位置づけています。

本物の教養を習得するための核として「広く、ある程度深い知識」と「腑に落ちるまで考え抜く力」の2つを挙げており、その方法論を本書のなかでさまざまなエピソードを交えながら詳しく解説しています。

内容については、「第1章 教養とは何か?」「第2章 日本のリーダー層は勉強が足りない」「第3章 出口流・知的生産の方法」「第4章 本を読む」「第5章 人に会う」「第6章 旅に出る」「第7章 教養としての時事問題――国内編――」「第8章 教養としての時事問題――世界のなかの日本編――」「第9章 英語はあなたの人生を変える」「第10章 自分の頭で考える生き方」の全10章構成です。

リベラルアーツの入門書として非常にわかりやすい良書といえるでしょう。

経営者のためのリベラルアーツ入門

本書『経営者のためのリベラルアーツ入門』は、人間力の次元を高めるうえで必要不可欠なものとしてリベラルアーツ(教養)を定義した1冊です。

経営者やリーダーに求められる究極の資質として、「決断の質が高い」「人間への理解が深い」「本質をとらえる力」の3つを挙げています。ただし、すべての教養をカバーすると時間が膨大にかかってしまうため、本書では「哲学」と「文学」の分野に絞って解説をしています。

この2分野がピックアップされていることには理由があり、哲学によって思考力が磨かれ、文学によって感受性が深まるからです。

哲学と文学の知識を深めるのに有用な16人の哲学者、11の文学作品について紹介しています。ポイントを押さえた内容となっているため、忙しいビジネスパーソンでも空き時間で読めるでしょう

新編・おらんだ正月

本書『新編・おらんだ正月』は、リベラルアーツのひとつのテーマである「科学的思考とはどういうことか」を学ぶための1冊です。

「おらんだ正月」という名前ですが、江戸時代の蘭学者が寛政6年11月11日が太陽暦では1794年1月1日にあたるとし、その正月を祝ったエピソードが由来です。伊能忠敬、平賀源内、高野長英など江戸初期から末期にかけて活躍した医学本草家、探検家、発明家、思想家など約50名の伝記や逸話を集めた内容が収録されています。

現代よりはるかに科学が遅れていた時代に、当時の教養人が諸問題について全力で考え抜く様子には目をみはるものがあります。

元々は、児童啓蒙雑誌「子供の科学」から依頼されて書かれた経緯があるので、非常に読みやすい文章も魅力的です。

生物と無生物のあいだ

本書『生物と無生物のあいだ』は、「生命とは何か」という生命科学最大の問いについて、分子生物学の見地から多くの天才科学者の思考とともに探った1冊です。生命の定義を追求すべく、入念に研究を重ねる科学者達のスタンスから「科学の手法」について学べます。

内容については、「第1章ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク」「第2章アンサング・ヒーロー」「第3章フォー・レター・ワード」「第4章シャルガフのパズル」「第5章サーファー・ゲッツ・ノーベルプライズ」「第6章ダークサイド・オブ・DNA」「第7章チャンスは、準備された心に降り立つ」「第8章原子が秩序を生み出すとき」「第9章動的平衡(ダイナミック・イクイリブリアム)とは何か」「第10章タンパク質のかすかな口づけ」「第11章内部の内部は外部である」「第12章細胞膜のダイナミズム」の全12章構成です。

一見堅苦しい内容に見えるかもしれませんが、第29回サントリー学芸賞「社会・風俗部門」を受賞するほどの極上の科学ミステリーです。

脳科学者の茂木健一郎氏などを始め、多くの著名人から推薦の声も上がっています。非常におもしろい内容になっているため、一度読み始めると止まらないという意見も見受けられます。

「科学とはなに?実験をすること?」程度の知識しかないようであれば、ぜひ手に取って読んでみるといいでしょう。

大人になるためのリベラルアーツ: 思考演習12題

本書『大人になるためのリベラルアーツ: 思考演習12題』は、本当の「教養」とは何かを突き詰める東京大学の新しい試みについてまとめた1冊です。

例えば「真理はひとつか?」といった答えを出すのが難しい問題をテーマとし、異なる価値観を持った者同士が対話を通じて本当の大人になるための思考力を磨いていくことを目指します。

「コピペは不正か」「グローバル人材は本当に必要か」「福島原発事故は日本固有の問題か」「代理母出産は許されるか」など具体的な問題もあれば、「絶対に人を殺してはいけないか」「芸術作品に客観的価値はあるか」「差異を乗り越えることは可能か」など哲学的な問題もあり、全12題のテーマが取り上げられています。

なかには明確な答えがないと感じる問題もあるかもしれませんが、それを突き詰めて思考し府に落とすことで成長に繋がっていけるでしょう。

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多種多様なリベラルアーツの本を10冊紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

リベラルアーツは学んでからすぐに効果が出るとは限りませんが、長い目で見るといつかビジネスシーンで役に立ち、さらに人生さえも豊かになるのは間違いありません。

まずは自分が気になった本を手に取ってみましょう。

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