【講義紹介】【人類学・考古学】小川さやか「”ままならない”社会を楽しむフィールドワーク術」

講義紹介

本記事では、以下のYouTube動画を紹介します。

【人類学・考古学】小川さやか「”ままならない”社会を楽しむフィールドワーク術」

タンザニア商人の研究をしていると、世界に対する見方が変わるスリリングな経験をします。この研究が日本に応用できるかというと、必ずしも彼らのやり方が日本にフィットするわけではありません。しかし、タンザニア商人の話を聞いて、自分たちと似ていると感じる日本人もいれば、考え方が全く違うと感じる人もいます。例えば、日本の芸術家とタンザニアの芸術家は考え方が似ているかもしれません。これは、タンザニア人に限らず、職業の違いよりも文化的な共通点が見えてくることがあります。

異質な文化と共通している考え方を発見すると、世界地図を脳内に抱えていたものから、不確実な状況に置かれた人々が共通して持つ考え方が見えてくるんです。これは非常に興味深いことです。

私が研究している人々は一般的に「インフォーマルエコノミー」と呼ばれています。これは日本であまり馴染みのない非公式経済を指し、政府の雇用統計に乗らないような経済システムです。露天商や行商人などがこれに該当します。インフォーマルエコノミーは必ずしも違法ではなく、零細な仕事として認められています。この経済は昔はいつか消滅すると思われていましたが、最近は全く違う形で生き抜いていることを実感しています。

香港や中国に移動して、タンザニアと交易している人たちがいますが、コロナが始まると一時帰国することになりました。中国との貿易が途絶え、自分たちが中国に行って買い付けを行うこともできなくなりました。しかし、このような状況でも多くの人たちは立ち直りが早いです。なぜかというと、ほとんどの人たちはインフォーマルな仕事を継続的にやっていくという気持ちで仕事をしていないからです。

インフォーマル経済の特徴として、一つの仕事に専業化せず、いくつかの収入源を持って生きていくことがあります。これにより、一つの仕事がダメになっても他の仕事で何とか生き延びることができます。また、公式の仕事を始める前に、いろいろなものをインフォーマルな形で試してみるということも一般的です。

新型コロナウイルスが広まると、社会不安になると考え、いくつかの商人は警備会社を設立しました。彼らは正規の警備会社の制服を仕立て屋に作ってもらい、近所の若者を雇ってインターネットで短期間の警備を依頼する仕事を始めました。これにより、すぐに事業を開始することができました。特に企業セミナーに通うような準備期間は必要なく、最初はコストをかけずに小規模で試すことができます。うまくいかなければすぐに撤退して、別の商売を始めることができます。これがインフォーマルエコノミーの・・・

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